「やば、学校で教えられたことはほとんど覚えていないやー」
「もう、すぐ忘れちゃう」
「でも、好きなYouTuberとかアイドルとかなら覚えられるのになー」
「なんでかなー?」
「好きだから覚えられるのかな?」
「勉強は嫌いだから覚えられないのかな?」
そんな話をしていた生徒に聞かれた。
「先生は勉強が好き?」
好きだよ、と答えた。
「じゃあ、たくさんのことを忘れないで覚えていられるの?」
と痛いところをつかれた。
い、いや
もちろん、そんなことはない。笑
一生懸命に大学時代に暗記したドイツ語の格変化なんかももう忘れている。
ウィリアム・ハーシェルが天王星を発見したなんていうのは昨日、知ったくらいだ。笑
だから、勉強が好きなことが必ずしも、暗記能力につながる、たくさん物事を覚えているというわけでもないだろう。
そもそも、人間は忘れていく生き物でもある。
ポイントは、自分からすすんで覚えようとしているか。
他人からやらされて、覚えさせようとされているか。
ではないかと思う。
先日、びっくりしたことがある。
東京大学に進学した方に、勉強は好きか?と聞いたら、
「好きではない。」
彼はこちらから見たら、勉強熱心だしたくさんの知識を持っているように見えた。
このことをふまえても、勉強が好きだからたくさん覚えられるものではないし、勉強が嫌いだからたくさん覚えられない、というわけでもないと思う。
そこで、自らすすんで学ぶような仕組みや心構えが改めて大切だと考える。
誰かから強要されてしまったら、嫌になってしまう危険性がある。
例えば、AKBの名前と年齢を全部を暗記しろ!
AKBツアーコンサートには全部、参加してこい!
AKBの出ているテレビは絶対に見なさい!
AKBのダンスを全て覚えなさい!AKBの…
とにかく、勉強を教える立場にある自分は自らすすんで勉強できるような環境つくりや仕組みつくりをしていきたいと思う。
言ってみれば、水泳の泳ぎ方を教える感じに似ている。
25mのプールに泳ぎ方を知らない子どもたちがいる。
そこで、水中での手の動かし方やバタ足や息継ぎの仕方を指導する。
そのときに、泳ぐことの楽しさや泳ぐときの危険性も伝える。
25mをすいすい泳ぐことのできる子もいれば、5mくらいで顔をあげてしまう子もいる。
25mをすいすい泳ぐ子にはその子に合わせた指導をし、5mで顔をあげる子にはその子に合わせた指導をする。
5mが10mに、10mが15mに…。
そのようにしてなんとか25mを泳ぎ切るまでの、プロセス、過程を学ばせてあげたいと思っている。
ある程度、泳げるようになれば、あとは危険に気をつけてどんどん自らすすんで泳いでもらう。
一度つかんだ泳ぎ方は、なかなか忘れない。
忘れたとしても、プールに浸かり、体をならしていけば、思い出すことができる。
勉強も同じだ。
忘れていることでも、少し勉強していけば、思い出すことができる。
また学んだことを関連して何かと結びつけることもできるかもしれない。
まとめとして、冒頭にある、勉強嫌いだから覚えられないというのは、ウソだ。
勉強嫌いだから覚えられないのではなく、覚え方が良くないんだと思う。
例えば教科書をじーっとただ見たり、マーカーで単語に線を引いたりするだけはほとんど効果はない。
また覚えられない、と思い込んでしまってるのかも。
このあたりは、生徒たちにも伝えて
正しい覚え方を伝えていきたい。
同時にマインドの面でも、人は成長できることを伝えていきたい。