数年前の話です
授業後に生徒たちを外で見送り、校舎へ戻る
校舎の入り口の近くで、高校生のSさんが何か言いたそうだったので、
何かあった?と声をかけた。
聞いてみると推薦入試で使う資料の添削をお願いしたいということだった。
1次は書類選考だった。
その書類選考の倍率はとても高かった。
1次選考に通ると2次の面接があるが、
そちらは1次選考よりかは通りやすいとのことで、1次選考の資料をより良いものにしたい、とのことだった。
翌日から資料の確認と編集を始めた。
慶応大学の推薦入試の知識がなかった自分は、引き受けるね!と言った以上、下手なアドバイスはできないと思ったので、
小論文関係の本を5冊ほど読み込む
実際に慶応大学の推薦入試の小論文も解いてみた。
卒業生伝いで慶応大学の推薦入試や学部や教授について聞いたりした
そこで得た情報をアドバイスした
必死に頑張るSさんの姿をみて、高校受験の時を思い出した
高校受験の合格発表の日、悔し涙を流したSさんに対して自分のできる限りのことをしたいと思った
埼玉の最難関の受験をした彼女の結果は不合格だった
聞いてみると、あの時のこと、やっぱり覚えていた。
そりゃそうだ。
忘れるはずがない
「大学受験でもう一回チャレンジする。」
中学の終わりにそう言っていたSさんは、
今日、一足早く花を咲かせた。
合格を報告してくれた時は本当に笑顔だった
悔しさをバネにしてがんばる。
言葉にすると簡単だけど、その過程は壮絶だ。
悔しさや苦しみを抱えながらもボロボロになっても、
前に進むと決心したからには、
その道のりは楽な道ではなく、つらいことが伴うからだ。
それでもSさんは見事、それをやってのけた。
そこに人の心をふるわせる感動がある。
大切なことを卒業生から教わった気がする。
中学生はこれからが勝負だ。
春に花を咲かせるために、出来る限りのことをやっていく。