羽田空港にある展望デッキから飛行機が飛び立っていくのを、ただ見ていた。
行く先は、ロンドン、パリ、北京、デリー、ニューヨーク・・・。
あの大きな機体が高度1万メートルの上空に浮かび、何千キロも移動して、無事に目的地に着く。
そのために必要なのは、【航路】だ。
出発前にいくつもの航路を描く。
その中から気候の条件など考慮して、最適な航路を選択する。
まずは知的な創造をする。
そして、実際に飛行機が飛び立つ。
はじめに決めた航路をいつも行くとは限らない。
途中、大気の乱れや予想外の嵐が起きるかもしれない。
それでも危険を回避しながら、最適な航路を選択し、最終的に目的地に着く。
これが、物的創造である。
「すべてのものは二度作られる」という原則は、何も飛行機に限ったことではない。
生徒たちを担当するときに、卒業式を思い浮かべる。
どんな風に育って、どんな風に卒業していってほしいのか。
そのための授業をしよう。
そのためにこんな接し方をしよう。
今の彼らではなく、ときには、未来の彼らにもかけてあげる声もあるだろうと意識するときもある。
目的を持って始める、ということも生徒たちに伝えていきたい。