「年齢とともに記憶力は悪くなる」
とか
「社会的な身分が低いと出世できない」というステレオタイプを刷り込まれると、
まさに自分自身がそれを踏襲してしまうもの。
映画『ビリギャル』の中のワンシーンを思い出す。
あの「コロンブスの卵」の話だ。
卵は立つって知っている人が卵を立てることはできるが、はじめから卵は立たないって思っていると、卵を立てろって言われても途中であきらめてしまう、という話だった。
ある本の中には「ステレオタイプの脅威」と書かれていた。
自分がそう信じ込んでしまうと、本当にそうなってしまう。
主に低学年の生徒の話を聞いていると、
「どうせオレは数学が苦手だからできない」
とか
「私に理科は無理だからできない」などと言い、自分自身に良くないレッテルを貼っている生徒がいることに気づく。
そして、実際にそう言っているような結果になってしまっている。
お節介先生かもしれないけどね
まずは、その言葉、マインドを変えたいと思っている。
自分自身に貼っている【負のレッテルを取り除きたい】
ビリギャルの坪田先生は講演会で、「すべての子は成績が伸びる」と思って指導していると言っていた。
本当にその通りだ。
以前、中学2年生のある生徒と面談した。
面談した理由は学校でのある出来事があったからだ。
その生徒の保護者様から聞いた話だが、その生徒が期末テスト直しをしていると担当の先生から、
「あなたは勉強なんてしても無駄よ」というようなことを言われた、とのことだった。
「本人は傷ついているかもしれないです…」とその生徒の保護者様が言っていた。
たとえ冗談であっても、得意ではないかもしれない勉強でも逃げずに取り組んでいる生徒に対して、教師が言ってはいけない言葉だった。
その話が100パーセント本当ではないにしても、その生徒の立場に立って考えてみると、がんばっているのに、そんなことを言われると悲しい気持ちになった。
一生懸命にやっている生徒を否定するような言い方にはカチンときた。
だから、面談をする時はその生徒の日頃の努力を認めるような話をしたり、
その生徒の可能性を引き出してあげられるような話をしようとしたいと思って、
頭を回転させた。
面談後に、
その生徒は前向きに「がんばる!」と言ってくれた。
実際に、その後の授業もがんばっていた。
いつもは怒られてばかりだからか、認められるようなことを言うと、その生徒は恥ずかしそうな表情になり、少し涙目になっていた。
これからも、一人でも多くの生徒の芽を摘むことなく、生徒たちの可能性を引き出していきたい。
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そんなことを以前、ブログに書いた。
そして、その生徒も入試を迎え、第一志望に見事、合格した。春から高校生になった。
北辰テストの結果を見ると、成績も最後の最後まで伸び続けていた。
受験が終わっても、高校生になっても彼は塾に自習室に来てくれる。
本当に成長したな〜と感慨深い。
今は背もだいぶ伸びて大人っぽくなった彼だが、
笑顔だけは変わらずにいつも爽やかだ。