今の職場の近くに、昔、「かえるの教室」という絵画教室があった。
今はどこに行ってしまったか…。
ネーミングセンスはどうなの?
というのはともかく、その「かえるの教室」に小学3~4年生の頃、週いちくらいで、従兄と弟と通っていた。
「かえるの教室」は当時、子どもたち向けの、絵画や図工の教室だった。
毎週、水曜日の夕方からが教室だったので、早く終わらせてドラゴンボールを見なくてはいけない!と焦る気持ちと戦いながら、絵をかいたり、作品を作ったりしていた。
通っていた目的の9割は、「かえるの教室」で出されるお菓子だった!笑
そのお菓子は、クッキーだったり、アイスだったり、とにかくうれしいものだった!
では、残りの1割は何か。
絵や作品の創作の面白さである。
何もない真っ白な画用紙に、書き込んでいくあの爽快感。
彫刻刀で木を削って、版画づくり。
作品を従兄や弟と比べることも楽しかった。
集中して創作に取りかかっているときは、その日に学校で嫌なことがあったとしても、自然と忘れられた。
当時は、学校でも問題児であったし、家庭にも問題を抱えていた。
一時的にでも、気持ちの拠り所みたいになっていたのかもしれない。
「かえるの教室」の思い出はあるのだけれど、なんで辞めてしまったのか思い出すことができない。
月謝が払えなかったのか。
面倒臭くなったからなのか。
あまり覚えていない。
それでも、大学生の頃は、美術館にひとり足を運ぶ習慣があったのは、このときの経験があるからだと思う。
フランスへ旅行へ行った時もルーブルへ行ったりオランジェリーに行ったり
忘れもしない二十歳のときの誕生日にひとりでふらっと美術館に行ったら、モネ展がちょうどやっていた。
モネは印象派と言われる画家だったけど、当時はそんなことなんか全く知らないで、ズカズカと美術館の中を歩き回った。
そして、懐かしいなと思った。
はじめてみた絵だったのに。
油絵のあたたかいタッチ。
様々な色合いの絵。
まるで美術館に、明るい色が散りばめられていたようだった。
そのときに、点と点が結ばれ線になったとでも表現するのだろうか。
「かえるの教室」を思い出しのだ。
教室でも油絵をやっていた。
それ以来、印象派の画家の展覧会があると足を運ぶようにしている。
そのときは、将来、つながらないように思えることでも、もしかしたら、将来のどこかでつながっていく、ということもあるかもしれない。
今はどこかへ行ってしまった「かえるの教室」
ゲコゲコとどこかで元気にやっていてくれたら、うれしいものだ。